Tame Impala @ Zepp Tokyo
「Tame Impalaは何を、どこを目指しているのか?」
これがずっと分からなかったのですが、今日、生の音を体感して、少しつかんだ気がします。
一般的には"サイケ・バンド"という認識が強いTame Impala。
確かに、音像はフィードバック強めだし、極彩色の映像が終始バックで映されていたし、おまけにローディーは白衣だし(笑)で、どっからどう見てもサイケ・バンドですありがとうございました、と言うことも一応は出来る。
ただ、バンドの首謀者ケヴィン・パーカーが観ている景色は、明らかに「ポップ・ミュージック」の地平。
今回のライブでも、随所にポップ・ライヴの要素が散りばめられてました。冒頭の「Let It Happen」でいきなりのミラーテープ発射。終始にこやかでフレンドリーなケヴィン(もっと気難しい人だと思ってた…)が自ら手拍子やスウェイを煽り、それに乗っかるお客さんたち。「The Less I Know Better」はバックの映像も煌びやかになり、完全にディスコ化。とどめはアンコール、「Feels Like We Only Go Backwards」での大合唱+再度のミラーテープ発射・・・
いやでも本当に、これらのポップな要素がサイケデリアとここまで仲良く結びつくとは思いませんでした。
(あと、これは蛇足ですが、Tame Impalaにポップの要素がしっかりあることを見抜いて最新作でカバーを収録したRihannaって、やっぱりしたたかで頭いいんだなー…とも感じました)
先日観たGrimesもそうでしたが、自分たちの信じる表現方法で、ポップ・ミュージックのメインフィールドに食ってかかろうとするアーティストの煌めきは半端ないですね。私も挑むフィールドのタイプや規模は全然違いますが、こういう意識を持って前進していきたいな…と思わされました。
ひとつ注文をつけるなら、前半「Elephant」の前あたりまで、若干出音が弱かった。明日の大阪公演では改善されるといいですね。
…というか、その前になんばハッチ、ちゃんと埋まるんでしょうか?最近、世界的アクトが来日すると東京は埋まるけど大阪は…という事例が多いので、正直心配です。そのうち、"名古屋飛ばし"みたいに大阪も飛ばされちゃって、来日公演は東京Onlyばっかり…という未来になりそうで、東京人の私もちょっと怖いです。
- アーティスト: Tame Impala
- 出版社/メーカー: Carol
- 発売日: 2015/07/17
- メディア: CD
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SYNCHRONICITY '16 -After Hours-
最近走ってません。
「走るポップ・リスナー」としての立場危うし…?
今日は「SYNCHRONICITY '16 -After Hours-」に行ってきました。
SYNCHRONICITYは2011年に初参加して以降、ほぼ毎回行っているフェスティバル。なぜか毎回、個人的に丁度いい日程にスッポリはまってくれることもありますが、それ以上にこのフェスの「クロスオーバー感」が楽しくて、足を運んでいます。
開場後、まず熊本地震復興支援Tシャツを購入(¥2,000)。
このTシャツ、地震が起こってから大分出身である主催者・-kikyu-代表の麻生さんがAfter Hoursのメンバーに相談を持ちかけたところ、出演バンドのメンバーが勤めている会社でプリントを受注してくれて、3日ほどで150枚のTシャツを作ることが出来たとのこと。
こういう「作ってきた繋がりを活かしたポジティブな取組」は、とてもSYNCHRONICITYらしい。
今日のマイラインナップは、
New Action! DJ→Paellas→在日ファンク(少しだけ)→never young beach→Yogee New Waves→CICADA→group_inou(後半のみ)→D.A.N.→クラムボン→the band apart(少しだけ)→渋さ知らズオーケストラ
O-WESTでやっていたMONOやTHE NOVEMBERSも観たかったのですが、終始入場規制で観れず。観れた方々の中には「ずっとO-WESTにいた」という方も多かった。そのくらいの気合がなきゃ観れなかったんだな…。
初っ端のworld's end girlfriend開演前からこの行列。
NOVEMBERSは諦めて寿司食いました。シャリが旨かったです。
以下、アクト雑感。
・New Action! DJ (星原喜一郎)
昨年のless than TVに続くコラボレーション。
NA!というと”J-ROCKばかりかけるところ”というイメージがあったのですが、PAELLASの雰囲気に繋がるようにTHE 1975「Love Me」なんかもかけていて、印象変わりましたね。
・PAELLAS
完全に「日本のバンドのライブ」ではなかったですね。雰囲気はUKのインディロック。ファッションも、フロントマンが長袖のポロシャツをパンツにインしてるあたりがイアン・カーティスらしくて良い。
こういうリアルタイムで海外の音楽に接続できるバンドがいるのはイマっぽくて良いんですが、演奏技術がちょっと追いついてない感じはしたかな。特にベースとドラム・パーカスの技量の差がありすぎて、グルーヴに凸凹が目立った。上手くなれば、もっと多くの人を惹き込むバンドになるかも。
・never young beach
何度観ても、良いバンド。日常に溶け込みながらも、特別な、キラキラしたものを与えてくれる気がします。
今日は「ネバヤンのような多幸感のあるバンドって、現代だと割とオルタナだよなー」と思いながら観てました。最近の若い子たちって、生きる辛さを自分自身で背負い込んでしまって余裕がない。ゆえに最近のロックも、音にも歌詞にも隙があまりない、切迫した表現が多い。それらと比べると、ネバヤンも生きる辛さを抱えてはいるけれど、そのままではなく身近な幸福感に転換して表現する。人によっては辛さから目を背けた能天気な音楽に映るかもしれないけれど、そもそも幸福感って何もないところからは出てこないので、決して能天気なわけではないと思うのです、ネバヤンの音楽は。
…とまあ、ちょっと語りすぎました。要するに、ハッピーでゆとりある音楽っていいよ楽しいよ、ってことで。
・Yogee New Waves
ネバヤンに続くBayonのバンド。このあとのD.A.N.もそうですが、Bayonは本当に良いバンドばかりを輩出してますね。
東京インディーの代表格のひとつと言われることの多いヨギーですが、もう既に大物ロック・ミュージシャンの風格が出始めているように感じました。フロントマンの角館さんはインタビューでさも当たり前のように「武道館でやりたい」と言っていましたが、このまま進めば大丈夫!と思えるライヴでした。
・CICADA
音源試聴してみたときの感覚とはだいぶ違う感じがしました。①ボーカルの木戸さんの声の強さを前面に出している、②かなりヒップホップベースのJ-POP感が強い、この2点が意外でした。
将来「ノイタミナ」枠のアニメ主題歌のオファーとか受けてスマッシュヒットしそう。
後半のみ。とにかく1曲が短い。短い分エネルギーが凝縮されている。group_inouはエレクトロの名を借りたパンク・ミュージックだと思います。
imaiさんの飯屋トークは今回も饒舌。今回は某ハンバーグチェーン(びっくりドン○ー?)でグラム数と価格をあべこべにして注文していたお父さんがいた、という話でしたが冷静に振り返ると「そんなに面白いか?」と思う(苦笑)。でもあの早口でまくし立てられるとなんか面白く感じちゃうんですよねー。話術においても速度は大事。
・D.A.N.
メインステージのgroup_inouから間髪入れずに、サブステージでD.A.N.。主催の麻生さんは頻繁にD.A.N.を推していたのに、なぜこんな小さなステージ?DUOのほうがよくない?と思いましたが、よく考えるとステージのサイズは小さいけどフロアの大きさはメインステージのアーティストと同じなんですよね。これはこれで、期待の表れとも言えるステージ割りだったのかも。
D.A.N.のライブはまだまだ粗っぽくて、「すげー!」と思うときもあれば「あれっ?」と思うときもあるのですが、今日は半々ぐらいだったかな。中盤のパートでかなりミニマルな曲をぶつけてきたのですが、まだこういう曲でフロアを掌握するほどのグルーヴは獲得できていないように感じました。その一方、「Ghana」や「Pool」のキラーチューン感は図抜けていて、シンプルに"良い曲を作るバンド"としての印象は高まりました。
ライブペインティングが完成したのを見ると「ああ、SYNCHRONICITYに来たなー」と思います。名物。
来年はAfter Hoursとセットで2日開催とのこと。どんなフェスティバルになるのか、予測不能だけど、その分今からワクワクしています。
Hostess Club presents Sunday Special
Hostess Club Weekenderが1日に短縮、「上質な音楽に浸りたいあなたの為にとっておきの一日」というコンセプトの下に開催されたイベント。
会場はTokyo Dome City Hall。アリーナが狭いかわりに座席が多く、寛いで観たい人には丁度良い会場でした。
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冒頭、新人のLapsleyから上質な音楽が次々に登場。特に2組目のJohn Grantは素晴らしかった。何をやっても独特のバリトンヴォイスに吸収されて纏っていく、その瞬間の気持ちよさ…たまらんかったです。
次回のHostess企画は、8月のHostess Club All-Nighterの模様。このポスターから、ヘッドライナーはIggy Popと読んだのですが…深夜のイベントにイギーおじいちゃん来てくれるのかなあ。
サカナクション @幕張メッセ
「なぜ、サカナクションの音楽は多くの人に求められるのか?」
これが、いままでよく分からなかった。しかし、今日はじめてワンマンのライブに行ってみて、その問いの答えをしっかりと実感できました。
「常に先進的な音楽を鳴らしているから。」・・・ノー。
いや、それも確かに間違いではないのですが、それ以上に
「先進的な音楽に、人間らしい感性がきちんと乗っているから」
これが答えだと思います。
無機質と思われがちなテクノ/エレクトロ・ビーツが彼らの音の主軸ですが、リリックやメロディ、必ずサビで独特の盛り上がりを見せる楽曲構成等にメンバー、特に山口一郎さんのパーソナリティがにじみ出てくる。そこに含まれた感性は、(アンコールでも語られていましたが)聴く人の共感を呼ぶものになっている。その共感が、最高に気持ち良いダンス・ミュージックに昇華されていく・・・。
この「日常的・常人的な感性が、音楽によって昇華されていく」という感覚があるから、多くの人が彼らの音楽の下に集うのでしょう。そうでなかったら、こんなゴリゴリのエレクトリック・ミュージックで幕張メッセの9-11ホールなんて埋まりません。
「レベルの高い音楽で、共感を呼び起こす」・・・これがサカナクション独自の「ハイブリッド感」なのだと気づかされた一夜でした。上を目指していると、ついつい普通の、当たり前の感性を忘れがちになってしまうけれど、そういうところも大切に活かしながら進んでいかなきゃいけないな・・・というか、活かして進んでいったほうが絶対面白い。こういう発想はいままでなかったので、貴重な機会になりました。
今回のサカナクション NF Records Launch Party幕張公演は明日もあります。まだチケット購入可能ということなので、観たい方は是非。
D'angelo @パシフィコ横浜
あまりのクオリティの高さにより、私を東京マラソンで2時間38分切りを目指させる原動力となったサマソニ2015でのD'angelo & The Vanguardのライヴ(D'angelo自身、こんな意志を持った人がいたなんて思いもよらないでしょう笑)。この日は実に20年ぶりの来日だったのですが、それから7か月という早いインターバルで再来日を決めてくれました。
△パシフィコ横浜の界隈はいろいろとゴージャス。豪華客船が周航してました。
いやしかし、昨夏の深みあるライヴとは全く異なる、「楽しいディアンジェロ」を魅せてくれました。セットリストも「Devil's Pie」からのカバー曲2連発でグルーヴィーに発進、『Black Messiah』からの曲もアウトロで"お楽しみ"が用意されていて、昨夏のときと同じ曲でも全然違う印象に。
なにより一番楽しんでいたのはD'angelo自身。冒頭からJames Brownばりにシャウトしまくり。コーラス2人とハンドクラップやスウェイを煽ったり、客席にシンガロングを求めるシーンもたくさんあった(「Brown Sugar」を日本のファンはあまり歌えていなかった…。ゴメンネD様!)。
おそらくD'angeloも、「孤高」とか「最高のミュージシャンズ・ミュージシャン」とか言われるのにちょっと辟易というか、寂しく感じる部分もあって、今日のようなお客さんと一緒に楽しむようなライブがしたくなったのかなあ、とふと思った。
ちょっと懐古主義的な部分もあって、ライブの質としては昨年のサマソニのほうが遥かに良かったとは思う。けれど、今日は「人間らしいD'angelo」を見れたことで、別にD'angeloだって神様じゃなくて一人の人間なのだと思ったし、そのことは私たちのような普通の人間にとって、より励みになることだと思う。音楽の楽しみを通じて、こういうことを伝えてくれたD'anegeloに改めて感謝。
TOKYO OUTDOOR WEEKEND 2016 (day2)
「GO OUT CAMP」及び「GO OUT JAMBOREE」の姉妹フェス。
(△会場遠影。海沿い、すぐそばを走るのは「ゆりかもめ」。)
Awesome City Club(アコースティック)が目当て。新曲もあり、大満足。寒かったけど。
ACCの音を聴くと、「無機質な東京の街にも、ちゃんと夢や理想が息づいているんだ!」と実感できます。音楽を通じて、周りの人の想いから刺激をもらえる。そんな気がします。
【setlist】
GOLD
WAHAHA
4月のマーチ
what you want
Vampire
アウトサイダー
Lesson
会場は新豊洲駅そばの空き地みたいな公園。埋め立て地、しかも新市場やマンションなどの開発がガンガン進められている土地で"自然"を感じながら音楽やアウトドア・レジャーを楽しめるのは、不思議な感じもしましたがとても良いことだと感じました。なるべく広く、色んな人たちに使ってもらえるフィールドのままであってほしい。新築マンションに住む上流階級だけの空間にはならないでほしい。そう思います。
3/24 ジョグ+Bring Me The Horizon
◼︎今日のメニュー
50分ジョグ(11km)
卒業式のお仕事。体育館という建物はなんであんなに寒い構造をしとるのか。
◼︎今日聴いた音楽
・Bring Me The Horizon - That's The Spirit
勉強中、あまりに眠かったので叩き起こしてもらうためにチョイス。
Bring Me The Horizon ブリングミーザホライズン / That's The … |
3/23 インターバル+D'angelo
◼︎今日のメニュー
1,000m×5本(r=325m)
3'21”-3'16”-3'14”-3'08”-3'06”。最初は「1,000mって、どう走ったらいいんだっけ…?」みたいな感覚で、脚も意識も空転気味。とにかくスピード出ろやー!と念じて、身体を大きく動かしてみたら、4本目から覚醒した。自己復興、ここに至れり。
しばらくは身体と感覚を今日と同じレベルで安定して出来るように慣らしていって、次第に未知の領域に踏み込める段階に進めればよいなあ。
◼︎今日聴いた音楽
・D'angelo - Voodoo
来日公演が迫ってきました。
昨夏は『Black Messiah』を中軸に据えたセットリストだったけど、直近のオーストラリアツアーの様子を覗き見ると、どうも『Voodoo』のほうに揺り戻っているような気がする。日本公演もそうであれば、昨夏のような濃密さは減退するかもしれないけれど、ある意味「楽しく、ハネたD'angelo」も体験できる貴重な機会になるかも。
VOODOO [ ディアンジェロ ] |
3/22 ジョグ+GLIM SPANKY
◼︎今日のメニュー
60分ジョグ(13.5km)
年度末進行がいよいよ牙をむき出しにしてきました。
とはいえ、今日でも20時終業。深夜業務が常態化していた以前と比べたら圧倒的に楽。仕事後に練習もできるし、レポート作成もできる。
なかなか不調から戻ってこなかった脚も、蹴り上げ動作が連続でできる程度には回復してきました。明日はできればポイント練習(仕事次第)。
◼︎今日聴いた音楽
・GLIM SPANKY - ワイルド・サイドを行け
昨日の彼らのライブで、こちらのやる気も完全復活。ここ日本で、いや世界でも類を見ないほど、高い志で人を奮い立たせる音を鳴らしていると思うバンドです。
- アーティスト: GLIM SPANKY,松尾レミ,いしわたり淳治,亀本寛貴,亀田誠治
- 出版社/メーカー: ユニバーサル ミュージック
- 発売日: 2016/01/27
- メディア: CD
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Alternative Tokyo vol.3
Alternative tokyo-商業的な音楽や方法論的な流行音楽とは一線を引き、時代の流れに捉われない普遍的な音楽を中心に、ART展示やトークセッション等を通じて、tokyoに集る表層的なものだけでは計れない人々の考えや楽しみを広義で探求していくイベント。
(オフィシャルHPより)
Creativemanが2年に1回のペースで開催しているイベント。ceroが出るし、Flo MorrisseyとJuana Molinaが来日するし、それに、ブログタイトルに「Alternative」を掲げている以上(笑)、行かないわけにはまいりません。
△天候は曇りのち晴れ。
△Open Reel Ensemble・和田永さんによる「エレクトロニコス・ファンタスティコス」。古家電を電子楽器として蘇生させる、というもの。ブラウン管テレビでガムランっぽい音を出していたのが面白かった。
△Juana Molina。普段はライヴ中に写真撮ったりしないワタクシですが、ステージ上でフアナとキーボーディストが踊ってるのをドラマーが写真に収めているのを見て、思わず自分も撮ってしまった(苦笑)
ステージの流れもある程度考えられていた。
共にベテランの領域でありながら新鮮で尖った音像を探り続けているKIMONOSとte'でそれぞれのステージが始まり、その探求心を若手の代表格・ceroにリレー。Flo Morrissey→大森靖子という、全くタイプが違うものの「若手の女性ソロ」で繋がる2組が続き、VIDEOTAPEMUSICとJuana Molinaで世界旅行。Phewで夜の孤独に突き落とし、最後は全てを呑み込むオルタナ中のオルタナ・Jim O'Rourkeで締め。良い流れでした。
様々な表現で、音楽の世界観をより一層拡げてくれる、いいイベントでした。