DO-MANNAKA de Alternative

走るポップ・リスナー、その魂のゆくゑ

OGRE YOU ASSHOLE "confidential tour" at 渋谷QUATTRO

本格的にGW突入です。普段仕事と駅伝の練習であまりライヴやコンサートに行けない分、このGWで一気に取り返したる!!・・・と、異様に気合の入っているワタクシでございます。


さて、連休初日の今日は、私の地元信州が生んだ現在国内最高峰のオルタナティブサイケデリックバンド・OGRE YOU ASSHOLEのワンマンライヴ。昨年の夏フェスや、ついこないだのテレビ番組(FACTORY)公開収録でも観ているのですが、近年のライヴの進歩があまりにもめざましいので、観れる機会は必ず逃さないようにしています。しかも今回はワンマン!1曲の演奏時間が長いオウガのライヴは、フェスでは若干物足りなさを感じていたのでワンマンを観れるのをずっと楽しみにしておりました。


開場時、場内にはミニマル・ミュージックとクラシックを掛けあわせたようなSE(あとでスティーヴ・ライヒだと知る)がサイケな雰囲気を醸し出し、定刻を若干過ぎて場内暗転。


1曲目は「真ん中で」。リアレンジアルバム『confidential』を携えてのツアーなので、その曲順通り行くのか・・・と思いきや2曲目で早くもFACTORY収録時に生で聴いてぶっとんだ「フラッグ」!カントリーライクな要素もあるalt. versionで始まって、途中で原曲に切り替わりUSオルタナ直系のロックサウンドへ展開していく流れが圧巻。今日はFACTORYよりも長く、展開ももう一段階加わっていました(音源通りvo.出戸さんによる「とっ!」も有。ちょっと向井秀徳氏の影が…笑)。演奏が終わったあと、満員のお客さんがまるでクラシックのコンサート終演時のスタンディングオベーションのように拍手しているのを見て、"お客さん"の一人であるはずの自分もなぜか感動してしまいました。



2曲目で早くもクライマックスな感じでしたが、ここから更にオウガのぶっ飛びサイケワールドが繰り広げられます。1st収録の「また明日」「タニシ」、4th収録の「フェンスのある家」「ふたつの段階」を続けてプレイ。アルバム単位だと相当な違いがある1stと4thですが、その振れ幅を残しつつもまな板の上で調理されて一枚の皿に綺麗に盛り付けられた印象。
続く「バックシート」は4th『homely』のリリース以降よく演奏されている曲で、段々と"ゆらめき度"が上がってきたように感じる一曲。波に揺られながら海の底へ沈んでいく感覚…これはかなり、気持ちいい。Beach Houseのライヴのときに感じた気持ちよさに結構近かったです。


「次の曲は『100年後』から…」と、珍しく出戸さんが曲紹介して始まった「夜の船」。音源では石橋英子さんが弾いている鍵盤のメロディを、ギター馬渕さんがソロで完コピ。あまりに完璧だったため、思わず反応してしまったお客さんもちらほら。
そして恐怖の「素敵な予感」alt.version。原曲もその"素敵な"気分をべちゃっと地面に叩きつけるような曲ですが、今日の「素敵な予感」はそれを革靴でぐしゃぐしゃに踏みつけてほとんど無に還すかのような演奏。清水/馬渕の超低音ダブルベース、淡々としたボーカル、そして終盤のマイブラ級轟音シューゲイズと、とにかくおぞましい。もはや曲名が思い出せない。そんな感じ。
しかし最後は緩やかな「マット」で〆。90分近いライヴの中でいろいろな展開があったので、本編最後はすっきり終わって綺麗に着地した印象(「マット」だけに…?)。


アンコール。出戸氏が本日唯一のMCをしたのですが、内容はこれだけ。
「鳥Tシャツ(上述「フラッグ」のMVで後ろの人達が着ているTシャツ)、まだ2枚しか売れてないんで買ってください」
会場の人々、爆笑・失笑しておりました。この鳥T、私も開演前に現物を見たのですが、さすがにサイケすぎてちょっと手が出ませんでした…出戸さん、すみません!


ライヴ再開。オウガのアンコールといえばこの曲「ロープ」ロング・ヴァージョン。出戸ギターとタムだけで始まり、徐々に音が加わり熱量が上がって、最後にスタジアムロック級の爆発!The Stone Rosesの「I Am The Resurrection」に並び立つ…かどうかはわかりませんが、私にとってはそのくらいの価値と威力を持つ一曲。結構多くの方が言ってますが、音源とは全く違う魅力を持つので何らかの形でライヴ映像なり音源なりをリリースして欲しいところです。
お客さんもガツンと盛り上がって、これで〆…かと思いきや「もう一曲だけ」と言って「バランス」twilight edit。「ロープ」でドカンといったあとに、このまったりエディットは正直余計だった気が…。まあ今日はリアレンジアルバムのツアーで全体的に振れ幅が大きかったので、全体の統一感を求めるライヴは次回作のワンマンツアーということになりますか。OGRE YOU ASSHOLE、まだまだしばらく目が離せないバンドです。


それにしても、GWということもあってかクアトロ超満員で正直びっくりしました。海外ではフェスでThe XXやBeace Houseのようなモッシュはおろか曲中にハンズアップするような展開も一切無いバンドが大きなステージで演奏しているので、オウガも将来ロックインジャパンのGRASS STAGE等で万単位のお客さんを酔わせる存在になってくれたら(ファンとしても、日本の音楽業界にとっても)最高だよなー…なんて、大勢のお客さんの向こう側にちょっと夢を見てしまいました。


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