DO-MANNAKA de Alternative

走るポップ・リスナー、その魂のゆくゑ

Blue Note Jazz Festival in Japan 2016

本場のBNJFを1日にギュッと濃縮した日本版。昨年に続き、2回目の開催です。

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高級クーペでおなじみのMINIがスポンサーとなった無料ステージでRM jazz legacy。いきなりハイクオリティな演奏を体験したあと、有料のエリアへ。

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まずはオールスタンディングであるDIZステージでGoGo Penguin。このバンド、今年のコーチェラ出演時から気になっていて、今回のフェスの個人的目玉でした。
グランドピアノ/コントラバス/ドラムといういかにもジャジーな編成ですが、実際はジャズというよりポストロックに近い。不規則なリズムを器用に乗りこなすピアノ、指引きとボウイングを巧みに使い分けるベース、手数の多いバカテクドラム。この3つの組み合わせから生まれる音像は、予想以上にハードでタフ。ポストロック大好きおじさんとしては、もうここから逃れられません。最高。
オールジャンルフェスであるコーチェラに呼ばれたことに象徴されるように、ジャズのような落ち着いた場だけでなく色んな場所に合うと感じました。ゲスの極み乙女。toeのような、邦楽ポストロックを聴く人にも好まれそうです。来年は是非フジロックorサマソニで。

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このあとはMarcus Miller→The Hot Sardines→MISIA×黒田卓也→George Benson→Andra Day→Yasei Collective(少しだけ)→Earth, Wind & Fire

メインステージであるBIRDステージ、前方は指定席に占められていてスタンディングはかなり遠い。そのためこのステージでやった3アーティストはあまり楽しめず。指定席の後方には空きがあったので、そこ潰してもらえればもう少し前に行けたのでは…。
ただ、音響についてはとても良かった。ここはやはり、歴史と伝統のBlue Noteとしては譲れないところだったのでしょう。遠くからでもMarcus Millerの超人的ベースプレイや、George Bensonの柔らかなギターと声はある程度堪能できました。

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注目度が高かったのはMISIA×黒田卓也。というか、MISIA。黒田バンドで2曲やったあとMISIA登場、「BELIEVE」を歌い始めて会場は大盛り上がり。でもバンドの演奏は、MISIAが入る前と入った後だと、後者のほうがグダグダのボロボロ。黒田さんも他のメンバーの譜面指差しながら指示出したり、「もっと上げて!もっと!」みたいなアクションをしたりと、バンマス業が忙しそうでした。たぶん、海外プレイヤー勢が知らない曲を練習する時間があまりなかったのでしょう。そう見えました。
スポーツ紙的な見出しをつけると「MISIA、ジャズフェスで本場LAのバンドと共演!」というような感じでとても目立つけれど、内実は上記のとおり。自分も切り取られた情報ではなく、きちんと中身を見ないとな、てな事を思いました。

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今回のBNJF、単に「ジャズ」という一ジャンルに限らず、色んな音が聴けたフェスティバルだったように思います。GoGo Penguinはポストロック、と書きましたがそれ以外のアクトも、例えばMarcus Millerはアフロビート、MISIAはJ-pop、Andra Dayはソウル+ブルース、EW&Fはディスコの要素がそれぞれありました。
「ロック」というジャンルがロックフェスティバルのブームと共に多様化していったのと同様に、「ジャズ」も今後様々なジャンルを内包していきながら発展していくのかもしれない。そんな予感がする、今回のBNJFでした。