DO-MANNAKA de Alternative

走るポップ・リスナー、その魂のゆくゑ

Bombay Bicycle Club『A Different Kind Of Fix』

Different Kind of Fix

Different Kind of Fix

本国イギリスでは昨年の8月にリリース、日本では1月18日にようやく国内盤が出たボンベイ・バイシクル・クラブ(BBC)の新作。

私はこれまでBBCの音楽に触れたことはありませんでした。本作がUKチャートで最高6位に入り、フェス等でも名前をチラホラ見かけられるようになってきたので、国内盤リリースを機に「ちょっと聴いてみようかな」と思うようになったアーティストです。

聴く前のイメージは、「〜〜〜クラブ」と付くアーティスト(Two Door Cinema Clubとか、Tokyo Police Clubとか)との関連イメージが強かったので、アップテンポでフロアをガンガンに盛り上げる音楽なのかな?と想像していました。しかし、1曲目「How Can You Swallow So Much Sleep」から割とおとなしめの入りで、その後もジワジワと上げてはくるもののアップテンポとは到底呼べない楽曲が続きます。

4曲目「Lights Out, Words Gone」の時点で、BBCはTwo Door Cinema ClubFriendly Firesなどのエモーショナルなポップと、James Blakeなどのベッドルーム系チルサウンドの中間地点にいるのかな?と思うようになりました。確かにライナーノーツのインタビューでもJames Blakeへの言及がありましたし、それでいてもやはり"バンド"ですから、こういう形が自然と出来上がっていったんでしょう。

最後まで聴き通して、BBCはすごく「自然」なサウンドを鳴らすアーティストなんだな、と自分の中で結論づけたのですが、自然というにはやっぱりおかしいかも…と感じています。なぜならBBCの音はコンピュータで作られた音やループが多様されており、言ってみれば「反・自然」な音楽であるはずだからです。

それでも彼らの音楽から「自然さ」を感じ取れるのは、IT機器の存在が完全に日常生活に溶け込むようになった現代だからでしょうか…?あとはやはり、優れたポップ・ミュージックにはどれにも当てはまるものですが、時代に左右されないグッドメロディーがあること。今だから表現できるものと、どの時代でも大切にされるもの、その両方が混ざり合ってBBCの音楽は出来ているのでしょう。こういうものが生み出せる感性と智恵は本当に素晴らしいし、貴重なものだと思います。



アルバムの中でも特にハッとさせられた、アルバムリード曲の「Shuffle」。キーボードの跳ねるようなサウンドと、流麗な歌のメロディー。まさにこのアルバムを象徴する楽曲です。


あと、どうでもいいんですがBombay Bicycle Clubを「BBC」と略すと某マスメディアと被ってしまうし、「CCB」ともなんかダブるので、何かいい略し方ご存じの方はお教えください。…ボンクル?それは嫌。