DO-MANNAKA de Alternative

走るポップ・リスナー、その魂のゆくゑ

SUMMER SONIC 2019 day2 Part.2 奔走のメッセ編

ここからはメッセに移動。
マリン→メッセの歩道は、マキシマムザホルモンなどの黒バンTシャツを着た人の大移動中でした。やはりこの辺の層が今日のサマソニをチケットの売れ行き面を支えてくれてましたね。


Tom Walker(@Sonic Stage, 14:10〜14:50)

ほぼ同時間帯のceroと悩みましたが、めったに観れないものを観ておきたい!という思いからTom Walkerをチョイス。
音源聴いた感じでは、いまUKで爆売れ中のLewis Capaldiのように1曲1曲淡々とやる感じかな?と予想していたのですが、いい意味で予想を裏切られました。オーディエンスの反応をしっかり見ながら、ステージ左右に歩み出てアプローチをかけていくステージングは集まったお客さんたちを確実に盛り上げていましたし、楽曲も「タメ」と「キメ」がしっかり効いている。特にラストの「Leave a Light On」は、ビッグバンともいうべき爆発力がありました。
UKではチャート1位も獲り、大きなステージも経験しているだけに、今後日本でもメインステージに登れるようになってくれたらいいな…!という希望を抱くには十分なパフォーマンスでした。


Deaf Havana(@Rainbow Stage, 15:10〜15:20)

ビーチから走ってきたこともあって、ここで一旦休憩。着替えてからカロリーメイト(←私にとってフェスに欠かせないアイテムのひとつ)をモシャモシャやりながら軽く観ました。
もともとハードコアバンドだっただけに演奏のパワーはありましたが、それが曲の良さに直結しておらず中途半端な印象。もろにKings of Leonな「Holy」など、アイデアも限られている感じがして、正直「この先難しそうだな、このバンド…。」と思ってしまいました。変化するなら、この後登場するBring Me The Horizonのような思い切りと明確なメッセージ性がないと厳しいかも。


Coin(@Sonic Stage, 15:25〜15:50)

ここで観れなかったら次はない!絶対観ないと!くらいの心持ちで臨んだCoinでしたが、1曲目の「Growing Pains」から「なんか音、薄くないか…?」という違和感が。シンセサウンドを生かしたポップな音が持ち味のはずなのに、シンセは1台しか置かれていないし、それもほとんど弾かないんですよね。残念。
最近はTRAPばかり目立っていたアメリカも、ここ最近は一周回ってCoinやWalk The Moon、A R I Z O N Aのようなポップなロック復活の兆しが見えてきました。しかしその一方で、どんどんスケールが大きくなっていくR&BやHIP HOPのステージングには追いつけていない印象があるので、そこらへんと対等にやり合えるようになれば本当の復活になるのでしょう。

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△Coin

Machine Gun Kelly(@Mountain Stage, 16:00〜16:25)

というわけでCoinを途中で切ったことにより、最初から観れたMGK。冒頭から中指フ◯ック画像が大量に現れ、音的にもハードロック的手法を駆使した攻撃力の高いHIP HOPでした。
ただ、その背景にはMGK自身の苦しい過去や忌まわしい思いが滲んでいるようにも感じました。自らビールをこぼして作った輪の中でのたうち回るMGKの姿は、刺激的なパフォーマンスを飛び越えて、悲痛さも伝えるヘヴィなシーンのひとつだったと思います。


Tash Sultana(@Sonic Stage, 16:35〜17:25)

何度も何度も「え!?マジで!?」と思うプレイが飛び出した、超絶ジャングル空間。事前にライブ動画もチェックして「ふむ…こんな感じか」と把握はしていたものの、それを上回る驚きがありました。
ループマシンを駆使して多彩な音を重ねていくのは想定通りでしたが、その正確性がすごい。50分間ずっと失敗したりやり直したりせずに続いていく音のレイヤーには、物凄い練習量とそれを支える音楽愛が感じられました。また、ただ機材をいじくるだけのナードな演奏にとどまらず、時には左右のお立ち台に登ってプレイするショーマンシップも示してくれたTash Sultana、間違いなく今年のサマソニの技能賞です。

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△Tash Sultana

Bring Me The Horizon(@Mountain Stage, 17:30〜18:00)

個人的2019年ベストアルバムであり、今年最大級の賛否両論作でもある『amo』を携えてのサマソニ登場。当然フルで観たかったですが、Tash SultanaとFoalsにちょっとずつ被っていたことと、この後単独公演が控えていたため、ここでは残念ながら半分だけ。
Mountainに大急ぎで着くと、「The House of Wolves」が鳴らされていて即ブチ上がり。次に控えるBABYMETAL待ちのお客さんたちをかき分けて前方へ向かいます。
フロアは全体的にBMTHで全力出したい派vs.BABYMETAL応援したいおじ様派の構図になっちゃってましたが、今のBMTHはその辺の対抗軸を全部へし折っていく音楽性の強さと広さがあるので、この構図すらも丸ごと飲み込んでこちらも愉しむことができました。「Happy Song」の巨大サークルピットも「Shadow Moses」の大合唱も実現できたし、「Mother Tongue」では思わず号泣(苦笑)したりといろんなことがありましたが、当然他にも聴きたい曲や体感したいことはたくさんあったので、続きは単独公演へ…。


Foals(@Sonic Stage, 18:10〜19:10)

Foalsが来るから今回ここに来たんです。そう言ってしまえるくらい、この後に控えるRHCPと並んで個人的に重要なアクトだったFoals。なぜならフジロック2013以来の来日、そしてUKロックの新王者としての地位を確立した『What Went Down』(2015)リリース後の初来日、そしてそして現在の国際情勢を反映した『Everything Not Saved Will Be Lost』シリーズがリリース進行中の中での来日。これだけ貴重な機会、なかなかないでしょう。
「On The Luna」が始まった途端、「うおおお遂にFoalsのライブに来れた!」という実感が沸騰して早くも大興奮。続く「Mountain at My Gates」では、あの流麗なギターリフを生で聴けたことの喜びでボロボロ泣いてしまいました…!
周りのファンの皆さんもFoalsを観れることを熱望していたようで、決して満員では無かったようですがフロアの熱は高かったです。割と淡々と刻んでいくタイプの曲である「My Number」でも、飛び跳ねて大合唱するお客さんが結構いましたしね。
新アルバムからの楽曲で白眉だったのは「In Degrees」。ダンサブルなトラックに乗る、象徴的なコーラスからは時代を生き抜くタフネフさを感じました。これから後半部がリリースされる新作、リリースされたら更に強固なFoalsの意志が表現されるんだろうな…と、より一層楽しみになりました。
ラストは「What Went Down」で恒例のヤニス御輿からの、「Two Steps, Twice」で締め。この曲で2ステップ踏む!という密かな夢があったので、フロア後方に下がって夢を実践させていただきました(笑)。いやー楽しかった!
1時間で今のFoalsの全てを体感できた気はしないですが、それでも今年一番のライブ。来年また来日してくれる!ということなので、そのときにフルで味わいたいです。