DO-MANNAKA de Alternative

走るポップ・リスナー、その魂のゆくゑ

Cloud Nothings @O-EAST

【俺たちのクラナシ】でおなじみ(?)、オルタナキッズ達のヒーローと化しつつあるディラン・バルディ率いるCloud Nothingsの『Last Building Burning』ツアー東京公演に行きました。
前回の『Life Without Sound』ツアーは全体的に小慣れた演奏で、かつクラナシの出世曲のひとつである「Wasted Days」をやらなかったため、正直かなり不完全燃焼でした。攻撃力の強かった『Last Building B urning』を経て、演奏は変わっているのか?そして「Wasted Days」はあるのか?この辺りが個人的焦点でした。


Kings of Leonの『Only By The Night』がシャッフルで流れる中、まずは前座のLOSTAGE
Cloud Nothingsとは世代が少し上ですが、80〜90年代のオルタナティブロックに影響を受けたという点では全く一緒。演奏もクラナシに備えている耳にしっくりくる(というか逆にクラナシより絶対に上手い)サウンドで、フロントアクトとして最高の選出でした。ありがとうございます、SMASHの担当者様!
個人的にはLOSTAGEを生で観るのは五味アイコンの本出版イベント(懐!)以来で『ECHOES』以降のアルバムは全く聴いていない、という有り様だったのですが、昔と比べると軸は変わらずレンジと安定度が増した感じがしました。五味弟のトーンいじりが特に良かったです。


LOSTAGE終了後、ドラムセットが半分近くなくなって「ああ、クラナシのライブにきた!」という実感を得てから、転換たったの15分でCloud Nothingsスタートです。
今回のツアーは前半が『Last Building Burning』の完全再現、後半が過去曲からの選抜という構成。投げやりでこういう構成にしている可能性も無きにしも非ずだと思っていたのでどうなのかな?とちょっぴり不安だったのですが、「Hi!」ご機嫌で登場してきたディランくん、そして1曲目「On An Edge」の切れ味鋭い演奏で一気に不安は一掃されました。
お客さんの間ではまだまだ新作の浸透には時間がかかっているようで、モッシュが起こるような展開にはならず。しかし「Leave Him Now」や「Another Way Of Life」あたりはキャッチーで今後定着しそうだし、「Dissolution」のインプロもこれまでのインプロ曲とは違って"静"を押し出したものでなかなか新鮮でした。
最後はディランくんが「気に入ったらタワレコで買ってね!」と、未だタワレコが存在する日本ならではのジョークで締めた新作再現ライブ。新作をまるまるやる、というライブをあまり見た記憶がないので、新鮮でした。


「Modern Act」で始まった後半パートは、まさにクラナシ完全圧勝!という感じ。走りまくるリズム隊が焦燥を煽り、そこにグッドメロディと叫びが同居する、そこにお客さんたちも反応する・・・ロックライヴの最高の形がそこにありました。特にラスト2曲、「Stay Useless」と「I'm Not Part Of Me」は完全に"みんなのうた"と化してました。すごかった。


そして懸念だったアンコール。あるのか・・・あるのか・・・?とソワソワしながらOne More Song!のシュプレヒコールで何とかバンドを引き摺り出そうとするお客さんたち(と私)。
そして・・・出てきたーー!!ということは「Wasted Days」だーー!!ぎゃーー!!!!


・・・というわけで、あとは激しいインプロにまみれながら完全燃焼でした。ありがとうクラナシ