DO-MANNAKA de Alternative

走るポップ・リスナー、その魂のゆくゑ

yule oneman show "Songfest"

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東京の6人組ポップバンド・yuleの初ワンマンライブに行ってきました。
yuleは社会人バンドゆえに活動ペースが遅く、それに伴ってファンベースの広がりも遅い(ただしハマった人はずっとハマり続けている印象がある)ので、今日のワンマンの会場も小箱である渋谷7th Floor。しかし、そこで鳴らされた音は小さな空間を遥かに飛び越えて、多種多様な場所に響くべき力強く壮大なポップ・ミュージックでした。

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ライブはEPで聴いていて"こういう始まりだったら最高だろうな…"と思っていた「白い家」→「KINGDOM」でスタート。わかってるぅ〜!
yuleのマルチタスクマン・Iwaoさんは早速グロッケンを叩きながらシンセを弾くダブルワークをこなします。会社に一人はこういう人材がほしいですね。


1stアルバムからの楽曲も、アレンジが効いていていい感じ。yuleのアクティブアニオタ・magさんによるギターの音作りと、6人でまとまるところと1人の音を引き立たせるところを上手く撰り分けているのが良かったような。まだまだ荒っぽいけれど、クリアに聴こえるべきところはすごくクリアに聴こえました(Reiさんのボーカルなど)。


yuleの妖精お姉さま・Annaさんによる和み系MCのあとは、新作EPの肝と言える2曲。
「サンライトソング」はAnnaさんが「一緒に歌ってくれたら嬉しい♡」と呼びかけていたものの、みなさん椅子席ですっかり落ち着いてしまっていて、せいぜい手拍子のみ…。この曲はもっと飛び跳ねたりして楽しみたい!ので、次はオールスタンディングの会場で聴きたいですね。
続く「Music」はIwaoさんのリコーダーが最高。まさに"グッドミュージックが溢れ出して"、我々のそばに届いていました。

おそらくワンマンでしかありえないmagさんのMCのあとは、密やかで、しかしダイナミズムも備えた楽曲が続きます。「It's dark outside」のアウトロは、完全に激しい時のSigur Ros。magさんのボウイング奏法もここで披露されました。本当にいろんなことが出来るバンドです。


3曲前後で行われてきたマイクリレーは、ついにフロントマンであるyuleの口下手エモ吟遊詩人・Reiさんのもとに。相変わらずの口下手ぶりでしたが、それがもう一部のお客さんにはすっかりお馴染みになっていて、今日一番の和みタイムになっていました。それでも、いろいろと考え抜いた結果として出た"この6人でやれば、yuleのやりたい音になる"という言葉には、はっきりした決意と未来が感じられました。


終盤は「Morgenrot」ののち、yuleの音楽の幅が大きく広がったきっかけとも言える「ゴーストタウン」。ゴーストといえば、この日はハロウィーン。渋谷の喧騒にはどこかなんとなく盛り上がっているだけの空疎さが伴っているような感覚がしていましたが、この曲も楽しげな曲調の裏で目標物を見失ったまま揺らいでいる者たちへの問いかけが含まれているような気がして、この日にぴったりだと思いました。こういう二面性のある曲、本当に好きです。


本編ラストは「羊が眠る頃」。この曲はライブで聴くたびにクライマックス感が上がっていきますね。終盤のReiさんの歌には、これまでのReiさんの想いの丈が詰まっているようでかなりグッときました。


一旦はけた後、アンコールはReiさんがシンセを操る「Whenever」から。マイクはyuleのスーパーセールスドラマー・fumiさんに渡り、超丁寧な御礼と軽妙なトークで締め感出てきたところで「sleepless sleep」、そしてフォーキーな「バルカロール」で大団円。トータルで1時間15分くらいだったでしょうか?ずっと楽しくて、満ち足りた時間でした。


yule "Songfest" @7th floor, 28/10/2018

(SE.) 白い家
KINGDOM
Symbol
starry song
- AnnaさんMC
サンライトソング
Music
- magさんMC
hope.
It's dark outside
call
- ReiさんMC
Morgenrot
ゴーストタウン
羊が眠る頃
(en.)
Whenever
- fumiさんMC
sleepless sleep
バルカロール

https://open.spotify.com/album/6v8pqC8fiiVxw44mdO9w0B?si=rb58iw-2QL-CGbEe1mP8og