DO-MANNAKA de Alternative

走るポップ・リスナー、その魂のゆくゑ

東京JAZZ the PLAZA フリーライブ (day2)

開催17回目を数える都心のJAZZフェスティバル、「東京JAZZ」のフリーライブステージである"the PLAZA"(代々木公園けやき広場)に行きました。

行ったのは2日目の後半。日程が合ったのもありますが、何よりメンツがいい。
民謡を新解釈で楽しませる「民謡クルセイダース」、
クロスオーバージャズシーンに現れた新星ピアニスト「桑原あい ザ・プロジェクト」、
そしてシンガポールからのネオソウルバンド「The Steve McQueens」。
三者三様でありながら、既存のJAZZの枠に囚われない演者たち(民クルはそもそもジャズからはかなりの距離があると思いますが…)。これがタダで観られるなんてお得すぎます。


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ライブステージは他のイベントとの兼ね合いもあってか、けやき並木の中途半端な位置に導線を半分削るような形で設けられていました。しかし音響はかなりしっかりしたスピーカーを使っていて、さすが東京JAZZ!と思いました。

まずは民謡クルセイダース。フジロックで深夜のクリスタルパレステントを盆踊り大会に変えた彼らですが、今日はお客さんの年齢層が高いせいもあって大人しめな盛り上がり。それでもギタリスト兼リーダーの田中克海さんが積極的に煽ったこともあり、アンコールの「炭坑節」では会場全体の手拍子に"ハァ〜ヨイヨイ!"の掛け声が広がっていました。
フジロックみたいなハチャメチャな空間にならなかった分、今回はしっかり"聴いて"楽しめた民クルですが、民謡は短いフレーズを何回もリピートするのでだんだんとトリップ感が生まれてくることに気がつきました。このトリップ感はジャズでも存在するので、思わぬ民謡とジャズの共通点発見!でした。


続いて桑原あいさん。「私、雨女どころか災害女なんですよ!すいません!」と笑わせていましたが、天候は実際、雨。フラッと観に来たお客さんが多いので普通に傘を差す人多数、そのためステージはほとんど目視できませんでしたが、目で見なくてもピアノを弾く姿の躍動感が伝わる音でした。若さ溢れまくり。
この日は鳥越啓介さん(b), 千住宗臣さん(ds)という手練れの方々とのトリオ編成でしたが、その一方でクロスオーバージャズシーンを代表するドラマー・石若駿さんとのデュオ編成でアルバムを作っていたりもする桑原さん。これからのシーンでどのような存在感を示して行くのか、期待大です。


この日ラストはThe Steve McQueens。アルバム聴いた段階から思っていましたが、本当に欧米でも最前線クラスに位置できるレベルの音。小さなステージじゃなく、例えば国際フォーラムのような大きくてしっかりした会場で観たくなりました。
バンドの演奏は紅一点ヴォーカルのGINNY BLOOPがバンマス役も果たしていて、まるで彼女がバンドもお客さんも全て操っているかのような感じでした。こんな妖艶かつパワフルなフロントマン、なかなかいないです。
最後には雨も止んで、大歓声の中で〆。これ、天候に左右されない翌日のWWW公演はフロアも含めてもっとすごいことになるはずです。

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