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DO-MANNAKA de Alternative

走るポップ・リスナー、その魂のゆくゑ

The xx @ 豊洲PIT

アルバム2作にして、「インディーポップの雄」から「世界のトップクラスバンド」へと一気に成り上がったThe xx。
3作目となる『I See You』のリリースを1月に控え、まず最初に東欧諸国5箇所でライブを行ってきた彼らが次に選んだ場所は…ここ日本、東京でした!

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フロントアクトのSamphaが、ピアノ弾き語りながらもビートを感じさせる音像でうまくThe xxの世界観への橋渡しを行ってくれた後、荘厳なSEとともに登場したロミー、オリヴァー、ジェイミーの3人。
1曲目から新作収録予定の新曲(「Lips」)を披露。次いで1stから、The xxの将来を決定付けた「Crystalized」と「VCR」をいきなり連発。「Crystalized」はロミーとオリヴァーが無音の中で異なるリリックを同時に歌ったのち、交錯して一つに戻る展開が最高に決まっていて格好良い。「VCR」は…もう言葉にならないくらい、綺麗。”大きな愛を語る 私たちはスーパースターみたい”というリリックがそのまま当てはまる。この時点で、早くも涙腺崩壊。

アルバムリリース前のツアーということで、ここからは新曲を織り交ぜながらの進行。「I Dare You」と「Brave for You」はポスト・ダブステップ感の強い、割とイケイケのトラック(ゆえに間に挟まれた「Islands」や、ジェイミーのソロ曲「Strangers in My Room」への繋がりもよかった)。
「Lips」や先行リリースされた「On Hold」も割とビート強めの曲だったので、新作はそういう方向で押し切るのか?…と思いきや、それが一転したのが「Performance」。この曲、事実上ロミーの弾き語り。2014年からやっている曲なので、『I See You』には様々なタイミングで作られたバリエーション豊かな曲たちが収められることに…なるのでしょうか?これはリリースされてみないと分からないかも。ただ”ビートが強い”、これだけは確か。

音響に関してはやや物足りなかった会場の豊洲PITでしたが、照明演出は綺麗。特に、「Infinity」でロミーとオリヴァーの掛け合いに呼応するように白いライトが交差していく場面は、2013年のフジロックにおける「Xライト」を彷彿とさせるワンシーンでした。

終盤は「Fiction」〜「Gosh」と「Shelter」のセルフマッシュアップ〜「Loud Places」〜一旦メンバー捌けてからの「On Hold」。ジェイミーのソロツアーを反映した、まるでDJのような展開。この流れを受けたお客さんたちの沸き立ち具合が異常(私もでしたが…笑)。「On Hold」が鳴り止んでからのオベーション、ものすごかったです。そこから感謝のMCを挟んで「Intro」〜「Angels」で一転して密やかに締めるのも、The xxらしくていい。

The xxの音楽には、交差(×)はするけどなかなかひとつ(-)になれなかったり、同じ方向に進むこと(=)が出来ない葛藤が常に含まれているけれど、それに対して潔く向き合うことで美しさや共振する感情を最大限スパークさせている…と思っています。
今回、バキバキのビートミュージックの展開も含んでより”強い音”になったThe xxは、アンダーグラウンドもオーヴァーグラウンドも、世代も文化も飛び越えて、より広い範囲にその美しさと感覚を伝えていきそう。今日のお客さんの顔ぶれが正にそうでしたし、新作リリース後のThe xxは更に面白くなっていくのではないかと。できればフジロックにもまた来てくださいね(ロミーから「またすぐ来る」の言質も取れたし、期待していいはず…)!