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DO-MANNAKA de Alternative

走るポップ・リスナー、その魂のゆくゑ

Fuji Rock Festival '16 day3(RHCP)

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今年のフジロックは、Red Hot Chili Peppersが出演する3日目のみ参加しました。
この日は午前中に10kmのタイムトライアルがあり(これがなかったら全日参加したかったです…BeckSigur Ros…)、反省会にも出てから、13:16東京発の新幹線で越後湯沢へ。会場着は15:30でした。
とりあえず、今回はRHCPを観ることが大目標だったので、まずはそちらの感想から。

Red Hot Chili Peppers @Green Stage

 新作『The Getaway』を携えてのフェスツアー真っ最中のRHCP。新曲群がどのようにプレイされるのか、そして前回来日(2011年サマーソニック)のときからバンドケミストリーがどのように変化しているのか、この辺りを気にしながら観ていました。
 ステージ後方には中央下部に半円状の大きなモニターがあり、それを取り囲むように小さな円形モニターが4つ。4人のメンバー、そしてその中心に据えられている「バンド」を表しているようなモニター配置で、開演前から少しグッときました。
 少し押すかと思いましたが、RHCPにしては珍しくほぼ定刻通りの開始。セットリストに関してはここまでのツアーの流れから「定番曲+日替わり曲」の組み合わせになると読んでいたので、最初も定番の「Can't Stop」で来るだろう…と、ほぼ会場の全員が考えてスタンバイしていたと思いますが、ジャムのあとに始まったのは何と新作からの「Goodbye Angels」。例のイントロで大盛り上がりからの大合唱を期待していたお客さん(私含む)は半ばズッコケ。というか、「ええっ!?」「それかよ!」という声が実際上がってました。しかしお客さんもすぐ対応して、予想外の流れにも「Ayo Ayo Ayo」の大合唱で応戦(?)。
 2曲目の「Dani California」以降はこれまでのツアー通り、「定番曲+日替わり曲」の流れに。そのツアー定番曲の中には新作からの曲も含まれますが、その口火を切った「Dark Nessecities」、これがとても良かった。フリーのスラップベースがぐいぐい引っ張りながらも、サポートメンバーによる鍵盤や、クラップ音を再現した乾いたドラムなどの新機軸・新要素がうまく絡み合っている。加えて、アンソニーの歌もとても丁寧。素晴らしい。
この日の本編では新作から、前述の2曲に加えて「The Getaway」「Go Robot」「Detroit」の計5曲がセットリストに入りましたが、どの曲も代表曲と並べて聴いても遜色ないレベルの魅力を放っていました。
 新曲群は、映像演出も良かったです。特に「Go Robot」は、近未来的なエレクトロ・ロック風の曲調に合うように連続ワイプやカラフルなモザイクなどを使って、楽曲の印象を更に強める働きをしていました。プロダクションチームも『The Getaway』というアルバムが新しいRHCPを示しているものだと理解して、ライブを共に作っているのだと感じました。
ただ、会場の盛り上がり自体はライブが進むにつれて徐々に右肩下がりに…。理由はギターの音が小さすぎるとか、単純に盛り上がる曲が少なかった(「Nobody Weird Like Me」か「Right On Time」が入っていたら少しは流れが変わっていたかも)とか色々ありますが、個人的にはバンドのケミストリーがまだ未完成だったからではないかな、と。
 前作『I'm With You』のツアーからサポートメンバーもガラリと変わりましたし、ギターのジョシュも自由に立ち振る舞えるようになった分、その曲における最適解のようなパフォーマンスから若干ズレてしまう場面も多かった。このあたりはより経験を積んで、整理されていけば、この日を上回る独特かつ強固なバンドケミストリーが生まれるはず。これまでも既存のものを壊して(壊れて)、その度にリビルドしながら独自の音を築き上げてきたRHCPなので、このへんは大丈夫なはず。あとは、それを見せる機会がまた日本であるといいですね。単独公演、期待しています。
 …あと、もう完全に蛇足になってしまいますが、アンコールの話。日本へのサービス?として、新作から「Dreams of a Samurai」をやってくれたのですが、アンソニーがもうグダグダ。いきなり入りそびれる、リズムとれない、果ては最後のヴァースほとんど歌えてない。そんな自分にキレたのか、機材を投げつけるという事態に(自分のいた位置ではよく見えなかったのですが、マイクを床に叩きつけたときの「ボゴッ」という音は聴こえました)。アンソニー…50歳過ぎても未だに大人にならないね…。
 まあそのあとの「Give It Away」はバッチリ決めてくれたので帳消し…かな?とにかくアンソニーもフリーも、ずっとカッコいいアダルトチャイルドでいてくださいね。

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以下、RHCP以外に観たもの。

Stereophonics @Green Stage(1曲だけ)
行きのシャトルバスの中で、長年フジに行っているフジロックお父さんと、過去の印象深いライブ(お父さんは2003年のBjork)やこの日のMyタイムテーブルについてアレコレ話しました。
私「ステレオフォニックス、最後の1曲だけでも聴きたいんです」
父「時間的に厳しいけど…頑張れよ!」
とエール(?)を頂き、苗場着いた瞬間に猛ダッシュ。コインロッカーが全て埋まっているという予想外の事態がありましたが、民宿?がやっていた荷物預かりに助けられてレース用具一式を手放し、グリーンへ。
着いたらちょうど最後の1曲、「Dakota」が始まるところでした。いきなりアンセムから始めるフジロック…これはこれで、贅沢な体験だったかも。

・Leon Bridges @Field of Heaven(10分くらい)
次のロバグラが観たかったのと、トイレが混んでいた(今年は人が多かったせいか、トイレも長蛇の列ばかりでした)ので、ほんの少しだけ。
'50sソウルや'60sドゥーワップを基調としたオールドテイストの楽曲ですが、身体のキレは若者らしい。ソウルっぽく腰をくねらせたりするんですが、そこまで年季入ってないというか、エロくないというか(笑)。フレッシュな感じ、ありました。

・Robert Glasper Experiment @White Stage
このあとのスロットに入っているBABYMETALのファンが大挙押し寄せていて、人数は多いけどジャズライブらしい盛り上がりはほとんどない、穏やかな一時間。
メタルアイドルに負けない、ぼくらのジャズアイドル・Robert Glasperは、今回もツボにハマるフレーズを連発。これまでDaft Punk「Get Lucky」などをジャジー+エクスペリメンタルにカバーしてきましたが、今回はRadiohead「Everything in Its Right Place」の一部を披露。ロバグラがあのイントロを弾くと、原曲の不穏な感じではなく、なんだか芳醇な馨りがするのが不思議でもあり、気持ちよかったです。
今回のエクスペリメントにはDJが加わり、よりヒップホップ感が強まってました。「拡張するエクスペリメント」、どこまで広がることが出来るか。また観てみたいです。

・Jack Garratt @Red Marquee
UKでブレイク候補に挙げられ、その期待に応えてデビューアルバムをチャートNo.1に送り込む一方、「The xxのジェネリック製品」とこき下ろされるなど評論家筋からはイマイチいい反応を得られていないJack Garratt。そのため割とおっかなびっくりな感覚で観に行ってみたのですが、いやはや、素晴らしいライブでした。
イントロダクションの直後にいきなり一番人気の「Breathe Life」が投下されたので「このあと、大丈夫?」と思いましたが、楽曲によって中心となる楽器を器用に切り替えて飽きさせず、トリップ・ホップ感のあるビートも身体を揺らし続けるのに充分な刺激がありました。特に良かったのは「Fire」における情熱的な歌。「Give me your fire!」とR&Bシンガーばりに歌い上げるその姿、こちらも情熱の炎に焼かれた気分になりました。
1人で全ての演奏をコントロールしているのでかなりせわしなく、今後のアイデアにも苦労しそうなスタイルではありますが、East India Youthのような先駆者もいますし、今後もいい曲をクリエイトしていってくれると期待しています。

Ben Harper & The Innocent Criminals @Green Stage + 苗場音楽突撃隊 @苗場食堂
このへんはRHCPに備えて食糧を補給したりしながらぶらぶら。
ベン・ハーパーはロックンロールと南半球の音楽がうまくミックスされていて、これまでのGreen Stageの流れを総括するような音。3日目、RHCPの前という位置がぴったりでした。
毎回ゲストがユニークな苗場音楽突撃隊、今回はラジオDJクリス・ペプラーさんがベースを携えて登場。しかし初日のRoute 17 R'n'R Orchestra出演後に風邪を引いてしまったらしく、美声もやや控えめでちょっと残念。それでも4時間の生放送やって苗場まで来るんだから、プロ根性あるなあと思いました。

・Explosions in the Sky @White Stage
RHCPをしっかり前で観るならベン・ハーパーの時点からグリーンに待機する必要があるのはわかっていたのですが、EITSも自分にとっては重要なバンド。4年前のフジロック、ノーマークだった彼らを夕暮れのホワイトで観て、圧倒的な轟音と美しすぎる夕暮れの景色に完全に打ちのめされてしまい、あのときの体験をもう一度味わいたい!とずっと願っていたのです。グリーンの混雑具合から「観れても15分が限度かな…それでもいい!観る!」と決心して、ホワイトへ突撃。
ステージに登場すると、まずは挨拶。「ニホンゴ、シャベレマセーン」とお決まりの逃げセリフで会場を穏やかな空気にしますが、音が鳴り始めた瞬間にその空気が、雰囲気が、景色が一変。もはや空間に身体が溶け出して、心だけがそこに残ったような感覚。研ぎすまられた情熱的な演奏が、そのむき出しの心にストレートに突き刺さっていく…もう、泣くしかないです。1曲目「Catastrophe and the Cure」で早くも涙腺破壊。「The Ecstatics」を挟んで、「The Birth and Death of the Day」で更にもうひと泣き。…そして残念ながら、ここで時間切れ。「The Ecstatics」で見せたエレクトロニカとの融合ももっと体験してみたかったので、今度はライブハウスでも観てみたいです。

・VIDEOTAPEMUSIC × cero @Red Marquee
小説や漫画には「実写化」がよくありますが、今回のコラボライブは、いわば”音楽の実写化”。怪獣が街を破壊する映像を観ながら聴く「Elephant Ghost」などは、曲を聴く以上に、更に想像が膨らみました。
いい実写化は、原作のストーリーをなぞるだけでなくて、さらなる色彩を与えたり、独自の解釈を加えたりする。そういうライブになっていたのと思います。
ただ、RHCPの直後ということもあり軽く放心状態で観たので、観ながらコークハイのコップ落としてしまったりするなど、ボケっとしている場面がいくつか…。周りで観ていた方々すいませんでした…。

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・深夜のあれこれ
Rookie A GO-GO。羊文学、South Penguin、MONO NO AWAREを観る。羊文学、ちょっと初期のきのこ帝国に似すぎか。South Penguinは元・森は生きているの岡田さんがプロデュースするのがよく分かる、ユルいバンド。MONO NO AWAREはキャラ立ちという面では多分最優秀賞。

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サーカス(ロス・イカリオス)。よくわからないけどとにかく凄い。こういう音楽以外の文化に、音楽に近い場所で触れられるのはいいですね。
クリスタル・パレスでJump With Joey。最終日深夜、オトナたちがヤケクソで盛り上がる。やたらデカいお兄さんとシンクロして盛り上がった後ハグするなど、皆さん情熱的。
GAN-BAN SQUAREで石野卓球。テクノ。アンダーワールドもかけてた。やたらキュートさを装った気持ち悪いアクションをしてた。気づいたら朝。
Red MarqueeでDJ Harvey。かなり古典的なプレイに感じたけど、フジのオーラスとしてはちょうどいい。金曜にアメリカで回してから日曜に日本の山奥に来るとか、本当お疲れ様でした。
フジの深夜は、日中のような圧倒的な体験はないけど、サーカスからDJまで幅広いカルチャーに触れられて、文化的にめいっぱい遊んでいる感覚がします。日本一素敵な遊び場。今年はタイムトライアルの直後で、身体は悲鳴を上げまくっていたのですが、それでも遊んじゃう。来年はたぶん3日間来れそうなので、もっとリラックスして愉しめそうです。

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今年もありがとう、フジロック